さよなら、マンボウ先生

今回は靴のお話ではありません・・・先日、いつもの様に新聞を読みながら朝食を食べていると、思いもかけない記事を見つけました。

もう30年も前になりますが、私が中学生になって一番楽しかったこと・・・それは読書でした。最初は「星新一」のショートショート・・・短い文章なのに全く予想ができない結末の詰まった作品集を、宝箱を開けるかの様にワクワクしながら読んだものでした。

そして、次に読み進んだはその友人である「どくとるマンボウこと北杜夫」のエッセー集でした。

歌人・斎藤茂吉の実子であり精神科医、そして純文学作家である氏の息抜き的なエッセーは、たちまち私を虜にしました。特に今も実家の本棚にある「どくとるマンボウ航海記」は、自分が文章を書いたり、会話をしていく中で意識している「ユーモア」のベースとなった一冊です。

そこから「どくとるマンボウ青春記」などの数々のエッセー、そしてその純文学としての代表作「楡家の人びと」は、とっつきにくかった長編小説の世界への扉を開けてくれた忘れられない作品です。

勉強は全くしませんでしたが、思えば本だけはよく読みました・・・いろいろな作家を読み進んでもたまに思い出したかのように「どくとるマンボウシリーズ」だけは読み返して氏のユーモアを楽しみ、その思春期の経験は現在でも、お客様との会話やこのブログでの私のベースとなっていると信じます。

中学校の先生の顔を思い返せと言われても、正直ほとんど覚えていませんが、今の私のベースとなる「ユーモア」を教えてくれた恩人とも言えるのが、どくとるマンボウこと北杜夫という作家であり・・・謹んでそのご冥福をお祈りしたいと思います。

さて、なにから読み返そうかな・・・しかし、まぁ・・・寂しいもんですね。

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