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「フィッティングチェアー」のお話

「こんにちは、私はドイツから来たフィッティングチェアーです! なりは小さいけど、お宅のソファーが全部買えるぐらいの高級品なのよ♪」

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と、イスが言っているかどうかは解りませんが、普通の方は「これイス?」とお思いでしょう・・・これは靴屋さんの重要なアイテムの一つで・・・

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この様に腰掛けて、お客様に靴をお履かせしながら「足と靴のフィッティングをチェックする為のイス」なのです。

ヨーロッパの靴屋さんに行くと当たり前にあるものなのですが、日本ではなかなかね~・・・逆に、これが置いてあるとそこは「靴専門店」であるひとつの証明とも言えます。

靴専門店と書いたのですが・・・実は今回あるドクターよりの御用命で「これは診療に必要なアイテム」であるという卓越したご判断のもと、当方で調達をさせて頂いた一品です。

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しかし、ヨーロッパ製にありがちな・・・というか製品としてツメが甘く「4本の足の長さが微妙に違ったり、足の底面も木製の為にかなり滑る」と言うお茶目な欠点があり、どうするかというと?

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「だったら、削ってしまえ!」という短絡思考で靴の調整用のグラインダーマシンでダイナミックにカット!

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お次は滑り止め対策として、靴用の底材を切り取って・・・

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ボンドをぬりぬり・・・

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乾燥したボンドをヒーターでしっかり活性化させて・・・

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ハンマーでトントンと接着しま~す♪

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最後は、はみ出したボンドを拭き取って・・・お終いです。

たまにイタリア製の高級ブランドのパンプスの修理などするのですが・・・左右の幅やヒールの形状、ひどいときはヒールの高さまで違うときがあります。

しかし!なのに!このお靴を床に置いて眺めてみると「凜」とした風格があり、トータルとしては完成された美しい靴なのです。

ツメは甘くても全体で見ると、やはり素晴らしいヨーロッパプロダクツ・・・そこには「ちっ!しょうがね~な~」と言いつつ細かく手を入れる自分がいます・・・そんな風に生涯、ヨーロッパの靴に魅入られて過ごしていくのだろな~・・・。

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さて、パッキングも終わりましたのでドクターのもとへお届けします。

ご許可がおりれば、いつか、その嫁入り先も取材してみたく思います・・・達者でな~!!

*来週の火曜日の更新はお休みします

「2010/02/12 東京」 後編

2月12日(金)午後2時半~東京ステーションコンファレンス
さて、我が「GOSR」より長谷川裕一郎会員「一般演題発表」のお時間です。

・・・しかし、ここで思うことなのですが私達は靴屋であり、その販売がメインでそのなかで、サイズを測ったり・靴の説明やご提案・メンテナンスを店舗で行うのが「生業」です。

なのになぜ、「学会で発表を行う」ような事になってしまうのか・・・私は、自分が2007年の同大会で発表を行った際は、その準備で時間を取られ、かつ、そのプレッシャーでクリスマスやお正月も楽しくもなかった事を思い出しておりました。

本当に辛かった・・・なのに、人ごとだと何でこんなに楽しいのでしょうか!いいぞ!もっとやれ!発表♪発表♪♪

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(発表中の会場は撮影禁止でした・・・)

取り乱しました・・・さて、長谷川会員の発表内容の要約ですが、

「路面状況とアウトソール形状の違いによる歩行動作変化の相関」

○北海道の靴店の特色として「冬季の凍結路面」があげられる
○その様な場合に考慮しなければならない靴の条件として、防滑アウトソール材とスムーズな歩行を得るためのアウトソール形状があげられる
○そこで、近年多くのメーカーから製品化されているローリングソールと、フラットソールとでは凍結路面を歩いた際にどのように違いが出るのか比較を行う
○また、一般路面と凍結路面では、一歩行周期中に股関節、膝関節、足関節それぞれに変化が出るのかを合わせて検証する

・・・と、関心のない方には催眠術のようなテーマですが、靴屋としてはなかなか面白い着眼点の発表です。

氏はこれに「ダートフィッシュ」という動作解析ソフトを使って、実際の被験者のパターン別の歩行を比較すると検証を行いました。

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(終了後の会場でパチリ!)

本当に良くできておりました・・・ちょっと古いが、「痛みに耐えてよく頑張った! 感動したっ! おめでとう!」

同日 午後8時~大手町Bamboo
さて、会場を移してこれから「大会長主催パーティー」の始まりです。

今回は立食パーティー形式で、参加者の皆さまの懇親を深める場でもあるのですが、なぜかライブハウスみたいなセットが・・・。

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つつがなく始まったパティーは主催者であり大会長の「赤木家康先生」のそのステージへの登場で激変!というか、ドクターなんだけど首から下げているのは「聴診器」でなく「ギター!」でした。

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こんな感じてのノリノリで2ステージ!基本的に立食パーティーなので、もうスタンディングで大騒ぎの凄い懇親会でした。

大会は二日間に渡って行われ、私は残念ながら初日のみの参加だったのですが、赤木先生は次の日のプログラムにも終日参加されており・・・ドクターってホントにタフな人ばっかりですね・・・頭良くて体力あるって反則ですよね。

さて、来年の大会は東北地方との噂・・・「ちょっと遠いな~・・・」と思いつつ、早くも飛行機の時刻表をチェックする自分がいました・・・まるで「靴旅中毒」だな~・・・。