「43.靴の修理」カテゴリーアーカイブ

「ドイツ靴のヒール修理」のお話 後編

ヒールの一番後(地面に最初に設置する部分)を少し削ります。

これは「ヒールピッチ」と言われるもので・・・
○踵が点でなく面で着地をさせる
○設置時の安定感と歩行を正しいラインへ導く為

に必要なものです。

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基本的には、ご購入頂いた時の角度へ戻しますが、お客様によっては「角度や長さ・材質の硬度」などを変えて、より歩きやすい状態へ調整も致します。

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次はヒール材にプライマーといわれる下地材とボンドを塗って、乾いたらヒーターで加熱します。

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その後はプレスで圧着します。

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出来上がりはこんな感じ・・・しかし、これでは歩けないのでマシンで削り込みます。

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こんな感じです。

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そして、この靴を平坦なところに置いてみると、少しだけヒールの部分が浮いているのがお分り頂けるかと思います。

これが「ヒールピッチ」で、今回は新品の時と同じ角度と長さにしました。

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最後は仕上げに、靴用のワックスと継ぎ目にアクリル系の塗料を塗り込んで継ぎ目を消します。

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アッパーもピカピカに磨き込んで「ドイツ靴のヒール修理」の仕上がりです。

修理といっても、削れた部分を元に戻すのではなく「機能を復元し」、かつ、お客様によっては「新品より歩きやすい状態を目指して」靴修理を行っております。

また、継ぎ目の除去などの美観にも配慮しての当店式の修理であり、お値段は「3500円」・納期は「一週間ほど」となっております。

ちなみに作業は私が行っておりますので・・・手が回らずに「他店様のお靴の持ち込み」は承っておりません。

しかし、当店のお客様の「昔、よそで買った靴だけどなんとかして~」といお声には、「なんとか頑張らせて頂きます!」ので、その際は少し長めの納期にてご了承下さい。

「ドイツ靴のヒール修理」のお話 前編

お店で良くある会話ですが・・・

「カカトの修理などのメンテナンスも当店で行っております」
「えっ!靴で修理とか出来るの!?」

というもので・・・では、実際どうやっているかというのが「今回のお話」です。

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ご購入いただいて1年程のお靴です・・・余談ですが、靴底の減り具合は「どの様な歩き方をしているのか」「その靴自体の特性や適合性」などの靴合わせのヒントがたくさん隠されている部分であり、新規のお客様の最初に確認させて頂くポイントです。

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ドイツ製の修理材です・・・減りの深さや長さ・元の材質の硬度・色などで、いろいろなものを使い分けます。

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それを適当な大きさにカットします。

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グラインダーマシンで靴と修理材が適合するように削り込みます。

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こんな感じです・・・。

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そこに修理材をはめ込んでみると・・・横から見てもピタリという感じです。

そして、このままボンドで接着して「お終い」とはいかないのがドイツ靴の奥深い部分!
また、当店は専門店なので仕上げにもこだわります。

しかし、3月はそこはかとなく忙しく・・・また次回とさせて頂きま~す。 ~続きます~