少し変わった「革底靴の滑り止め加工」など

ゴールデンウイークもあと2日・・・そして、今日はどこかに出かけたくなる素晴らしい春空!
まぁ、本日も店番の当方には何の関係もない話ですが・・・さて、本日はこちらのお靴のお話です。

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ShoeColour_PaintForato_Nero 37,800円(クリックで拡大します)

今年より扱い始めたイタリアのブランドで、高品位な材質を妥協しないレベルで仕上げつつ(ある意味マニアックに)、ハンドメイドらしさも残しているという・・・好きな人には私を含めてたまらない類の一足です。

もちろん靴底も革底・・・返りがよく、歩行時にまとわりついてくれるような心地よさがあります。

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しかし、まぁ履いたことがある方はご存知でしょうが・・・雨の日などは滑ります。
私は雨の日に革底の紳士靴で運転をしている時に、ブレーキペダルを踏んだら「ヌルリ!」と滑って・・・シャレにならない事になるところでした。

ですので、当店では革底の靴の場合は「滑り止め加工」をしてある物しか仕入れないようにしており、こちらのShoeColourも前足部の丸い部分がゴム素材で、滑りが出ないようになっています(しかし、このブランドらしい凝った作りですね・・・)

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「普通の滑り止め加工」(クリックで拡大します)

思えばこの滑り止め加工は、地方によって言い方が異なるのですが「半張り」とか「メリソール」とかの名称で、靴修理では非常にメジャーな作業で私も靴屋を継いで、靴修理を始めた頃によくやった内容です。

普通は上の様な対滑性のある薄いゴムシートを貼り付けるのが、一般的なやり方ですが、今回はあるお客様のご要望で、少し変わった材質で滑り止め加工を仕上げました。

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心地よさを変えずに滑らず、よく歩かれるので耐久性も・・・というリクエストより「前足部はフレキシブル、かつ、対滑性の高いビブラムの新素材」「カカトは耐久性を重視してドイツ靴修理では一般的なアストロスターという底材(もちろん滑りません)」を使い分けました。

このまま貼ると前足部の部分の厚みで、トウピッチと言われる踏み込み用の傾斜がなくなってしまうので、カカトを少し削って角度を変えて、そこも調整してあります・・・靴底だけ見るとスニーカーテイストの仕上げになっていますが、必ずやお客様には喜んで頂ける仕上がりになったかと思います。

ドイツ式の靴調整とかその一部での靴作りというものは、理論や方法が確立されているのですが、その過程に道具として「台所用品とか車の修理用工具」とかを引き出してきて便利に使っていたりします。

つまりは目的に対しての手段が、知識や技術に裏打ちされた上で非常に自由であり、お国柄のイメージと違って堅苦しくなかったりする(変にセオリーにこだわったりしない)ところが、私がドイツの靴文化から離れられないところでもあると思います。

今後も、ヨーロッパのいろいろな靴を仕入れて参りますが、良い意味でのドイツ靴で学んだ下敷きをお客さまのリクエストに反映させて、もっとお喜び頂けるように精進してまいりたく思います。

しかし、いい天気ですね・・・陽気の良さと有機溶剤の匂いで心地良くなってきましたので、本日は以上で~す~・・・。

☆4月1日より閉店時間が「20時」に伸びました

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