新商品の入荷情報が先行して、ご紹介が遅れましたが、4月9・10日と「整形外科靴マイスター カースティン・リーヒェ先生」による「第12回・足と靴のご相談会」が開催されました。
今回も「より高度な足と靴のトラブル」にお悩みの皆さまにご来店を頂き、既成靴の加工調整やオーダーインソール作成・また、2足のフルオーダーシューズなどのご依頼を頂きました・・・ありがとうございます。
この様な機会は九州では当店が唯一であり、今後も地方の靴文化向上の為にも継続をいたしてまいたく考えております。
次回は・・・「第13回 ドイツ整形外科靴マイスターによる足と靴のご相談会」となっております。
さて、マイスターが来られている貴重な機会に、会社として次にやるべき事は・・・やはり社員教育と言うことで「前回」に続き、4月11日にマイスターセミナーの第2回を開催いたしました。
場所は「大濠公園店」で、参加者は阪急チームの前田店長と須﨑君、大濠公園店チームは久保田さんの計3名です。
ちなみに、セミナーのために居場所がなくなった私は「阪急店」で杉村君と終日、店番をしておりました・・・。
さて、今回のセミナーのお題は「フルオーダーインソール作成」です。
これはドイツ靴のみでなく靴造りの全ての基礎になる「型」をつくるという「靴という学問」の入り口であり、その後にレベルを上げていっても、最後はまたここに戻るという「靴造りの神髄」の様な部分です。
いわゆる「木型」については、各国・各地方・靴の種類・製法・会社・個人などで全て違い、これが答えだというようなものはまだ存在しません・・・ですので、入り口であり出口でもあるのが「型」の作成と言え、勉強するには本当にいい「教材」なのです・・・はい。
フルオーダーインソールの作成の手順は、大まかに・・・
①トリッシャムと言われるカステラのような素材を踏むことで、その方の足裏の形状をコピーする
②そのトリッシャムにウレタンの樹脂を流し込んで、完全な足裏の「型」を作成する
③その「型」をグラインダーマシーン(靴を削り加工する機械)で、その個人に対しての足裏の3点アーチ(土踏まずなど)の調整や踵の角度の修正を行う
④加工された「型」に、その個人に適合する素材を貼り付けていく・・・
と、まだまだ手順は続く一日では難しい「続き物のセミナー」となります。
今回は③までいかずに終了と・・・先は長いな~! まぁ、ガンバレ!
私も過去に5人のマイスターからこのフルオーダーインソールの作成を習いましたが、全員やり方も考え方も違われました・・・何事においても「これが正しい」とか「これがベストで他は認めない」的な発言をよく耳にしますが、たくさんのものを知り・身につけて、そのお客様の個性にあったものをセレクトしていく方が正解に近いと思いますし、更に良いものや新しいものを探しに出かけていく事こそが「人生の喜びであり、かつ、公益にもかなう」と信じております。
その意味ではドイツ式もいいけど、フランス式やCAD式も必要であり「当店では大きく3パターンのオーダーインソール作成」をご提案しております。
さて、長くなりましたので・・・最後になぜマイスターに教育を頼むのかなのですが? 彼らがマイスター学校で習うことは・・・もちろん靴についてもですが、それ以外に経理やプロモーションなど独立して工房を成り立たせる為に必要な教育を受けるそうです。
そして、知っていることを「他者に教える=育成」もその一つであり・・・さすがに長い歴史を持つマイスター文化ですね。
そう言えば、最近、マイスター・カースティン氏と夕食に行く時の話題は靴でなく「経営」の話ばっかり聞いております・・・こっちでもセミナー料金が発生しそうな感じで、うかつなことを言うと「やぶ蛇」なので本日はここで幕といたしま~す!
☆5月の定休日・・・18日(水)
☆6月の定休日・・・22日(水)