「2012/01/10 東京・吉祥寺」編

1月10日(火)午前10~東京・吉祥寺
本日は久しぶりに「GOSR・ドイツ整形靴研究会」のセミナーに出席するために、早朝の飛行機で東京入り致しております。

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GOSRと言えば、これまでは整形外科靴マイスターのテクニックを下敷きにした「技術講座」がメインだったですが、今回はそうではなく「経営」を主題としたソフト面のセミナーとなっております。

内容はあまり詳しくお話できないのですが、当社でも春から取り扱いを始めるイタリアの某ブランドのフランス人マネージャー(ややこしくてスイマセン)を招いての開催となっております。

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ドイツ靴に関わる勉強を始めて10年以上の月日が立ち、これまでハード一辺倒への傾倒で店舗が何とかなっていたのが、世の中自体のスピード化・複雑化する中で靴先進国であるユーロの「妥協しない靴作りの哲学」は本当に参考になります。

当店の様な靴店が生き延びていくには「妥協しない靴の品揃え」「高い満足をご提供するための知識とテクニックの習得」の両立しかなく、その為にもどんどん学問して、ますますの実際のヨーロッパにての靴選びを進めていきたく、また、そう強く思わせてくれた本日でした。

心のなかで「まだまだ、靴屋としてやるべきことがある!その為に積み重ねた時間は裏切らない!」とドヤ顔でつぶやきたいところですが、実際問題、年間休日を個人的に廃止している私なので、勤務時間は人よりもいっぱいございます・・・まぁ、ゆっくりと行きましょうかね・・・。

☆1月の定休日・・・終わりました
☆2月の定休日・・・21日(火)・22日(水)

「靴修理」の修理のお話

「靴修理」の修理のお話です・・・通常の靴修理とは傷んだ部分を補って、その靴の機能を補完する事を言います。
しかし、健康靴については底材がポリウレタンと言われる材質が使われることが多く、使う材料やボンドが特殊だったりします・・・で、本日、こんな靴の修理が届きました。

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以前にどこぞの靴修理屋さんで修理されたようで、これだけ見ると解りづらいのですが・・・

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靴底のすり減った部分を大きく削り直して、そこに紳士靴用のゴム製ヒールが押し込んでありました・・・。

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これは当店に置いてあるヒール修理のサンプルで、わざとに直した部分の色を変えてあるモデルです。

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靴底と修理に使った材料の硬度も合わせてあり、ヒール部分には歩きやすいように「ヒールピッチ」という傾斜が入れてあります。
この様な点に気をつけて、靴修理を行わないと靴の機能自体は損なわれてしまいます。

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取り敢えず、取り付けてあったゴムヒールを取り除きます・・・が、剣山状態になっていました。
ちなみに靴底のウレタン材に釘は効きません・・・あとは普段の修理と同じく、削れてなくなっている部分に中底材を接着し、ヒールピッチをオリジナルに合わせて少し硬度の高い底材を圧着し、修理用のグラインダーマシンで削り直します。

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今回は削り面が大きいので、接着面を保護する意味でアドカラーという靴用の絵の具を塗ります。

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取り敢えず、硬度と角度とおまけに継ぎ目を消して色合いを整えてみました。
これで「3500円」です・・・ドイツなどではこの様なヒール修理を2、3度ほどやって、かつ、オールソールと言う靴底全体の交換まで行い、大切に靴を使います。

当店でもこの様な使い捨てでない靴文化をリスペクトする意味でも、靴修理については良い材料で手間を惜しまずに「靴を再生するレベル」で取り組みたく思います。

最後に当店でお買い上げのお靴は何どぞ、私にお任せ下さい・・・必ず綺麗に仕上げて、そのお靴を華麗に里帰りさせてみせますよ!

☆1月の定休日・・・終わりました
☆2月の定休日・・・21日(火)・22日(水)